格安SIMを使ってポケットWiFiを更に安くする方法
光回線などの固定回線の代わりに、ポケットWiFiを使ってインターネット環境を構築している方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?
屋外でもネットが利用できて非常に便利なものですよね。
そんなポケットWiFiですが、データ通信専用の格安SIMを使うことによって月額1,000円台で使うことができることを知っていますか?
ここでは、その最安ポケットWiFiはどうすれば作れるのかご紹介したいと思います。
格安SIMとは
まず、格安SIMについてまだよくわからない方もおられると思いますので、少し格安SIMについてご説明します。
まず、「SIMカード」というのはご存じかと思います。
契約者の情報や契約内容が書き込まれてあり、携帯電話などの通信端末に組み込むことによって、その端末を契約者のものとして使えるようにするためのものです。
このSIMカードのなかで、MVNO(仮想移動体通信業者)という業者達が、他社の電波を利用して独自の通信サービスを行うために作られたものを格安SIMと呼びます。
ドコモ、au、ソフトバンクといった電波を借りられる側の大手通信事業者のような手厚いサービスはできませんが、そのかわり格安で、ユーザーにあわせたプランが選べるので、現在非常に人気があります。
格安SIMを使ったSIMフリーの格安スマホをお使いの方も多いのではないでしょうか。
さて、そのSIMカードというのはスマホを使う時だけ必要だと言うものではありません。
特定のユーザーが特定の電波を使って、特定の端末でモバイルデータ通信をする場合、それらの(契約)情報がインプットされたSIMカードが必要となります。
ですので、データ通信のアンテナであるポケットWiFiにもSIM(もしくは契約データそのもの)が必要となります。
そこへ、格安SIMを使うことによって、ポケットWiFiのデータ通信料も格安にできるわけです。
では、格安SIMポケットWiFiには(格安以外に)どんなメリットがあるのでしょうか?
格安SIMポケットWiFiのメリット
まず、「月額1,000円台で利用できる」という月額料金の安さが最大のメリットですが、その他に以下のようなこともメリットとしてあります。
・契約期間に縛りがない。
一般的にはポケットWiFiの契約期間は2年間のものが多いと思います。
その期間内に解約すると違約金が発生するようになっています。
しかし、そのような縛りのない格安SIMを使うことによって、いつでも解約できるようになります。
・一般的なポケットWiFiより電波が良い
WiMAXやY!mobileが提供する一般的なポケットWiFiよりも電波は良くなります。
スマートフォンで使う電波を利用していますので、スマホが使える場所なら格安SIMポケットWiFiも使えるはずです。
といように、安くて電波が良く、気に入らなければ変えられると言うメリットはポケットWiFiといったモバイルルーターを使うのに、十分過ぎるほどです。
しかし、その代わりではありませんが、デメリットと感じられる部分もあります。
一応それもピックアップしておきます。
格安SIMポケットWiFiのデメリット
・無制限のデータ通信には向いていない
自分の月間データ通信量が少ない時でも10GB以上ある人にはおすすめできません。
月間のデータ通信容量に制限があり、その制限値を超えると通信速度制限が適用されます。
・通信速度が遅い
格安SIMポケットWiFiは平均2~3Mbps程しかでません。
この他、キャッシュバックが無かったり、機種を自分で調べて購入しなければならないし、端末設定を自分でやらなければならないといった手間のかかることもあります。
しかし、格安ですので、キャッシュバックも必要無いと思いますし、色々自分でやるから格安アイテムを作ることができると思っておきましょう。
尚、通信速度が早く、無制限でポケットWiFiを使いたい方は、「WiMAX」がオススメです。
比較したものを次で紹介するので、参考にしてください。
ポケットWiFi比較
ポケットWiFiと言えば、前述のWiMAXとY!mobileを思いつかれると思います。
格安SIMポケットWiFiが市場において圧倒的シェアを誇るこれらのポケットWiFiとは、どう違うのか見ていきましょう。
Y!mobile | WiMAX | 格安SIMポケットWi-Fi | |
---|---|---|---|
MVNO | BroadLTE | GMOとくとくBB | DMMモバイル |
データ量(月間) | 5GB~7GB | 7GB~制限なし | 1GB~20GB |
月額料金(割引適用) | 3,696円(7GB) | 3,609円 (au 4G LTEはオプション料金1,005円) | 1,860円(7GB) |
契約期間 | 36か月 | 22か月 | 12か月 |
端末代 | 603HW:無料 | Speed Wi-Fi NEXT W04:無料 | AtermMR04LN:23,000円 |
契約期間までの総費用(7GBの場合) | 102,816円 | 79,398円 | 45,320円 |
特典 | 初期費用18,857円割引(端末代実質無料) | キャッシュバック30,500円 | 無 |
契約期間までの実費(7GBの場合) | 102,816円 | 48,898円 | 45,320円 |
1か月換算 | 2,856円 | 2,222円 | 3,776円 |
電波の強さ | 室内:強め スマホより若干弱い | 室内:普通 au 4G LTE利用時は室内強い 都会では安定 | 室内:かなり強い スマホ並み |
格安SIMでポケットWiFiをつくる場合は、ポケットWiFiの機種そのものを購入しなければならないので、短い期間で見ると、トータルで費用は同じか、もしくは高くなってしまいます。
しかし、WiMAXやY!mobileの契約期間と同じ長さで使っていく場合は安くなります。
また、電波の強さは断然格安SIMポケットWiFiの方が優れていることがわかります。
それでは、その格安SIMポケットWiFiを作る手順を説明していきたいと思います。
格安SIMポケットWiFiの作り方
WiMAX、Y!mobileなどがそうであるように、一般的にポケットWiFiは端末(購入)と同時契約です。
その会社の電波しか使えないようになっています。
それをSIMロックといい、SIMロック解除を行わない限りは別の会社の電波が使える格安SIMを組み込むことはできません。
しかし、このSIMロック解除には非常に手間と時間がかかるため、すぐに格安SIMでポケットWiFiを利用したい方にはおススメしていません。
なので、格安SIMポケットWiFiを作るには、まず、ポケットWiFiの端末本体を購入しなければなりません。
その選び方も少し注意が必要なので、順に説明していきます。
自分が月にどれだけパケットを使うか調べる
(使用例)
仕事でちょっとした資料作成やメールの添付、データの添付に少しネットサーフィン | 1~3GB |
---|---|
外で音楽を聴きながら仕事をしたり、画像や動画を沢山アップ&ダウンロード | 7~10GB |
動画をガンガン観る | 10GB~ |
通信制限にかからないためにもパケットの使用可能量には余裕を持たしたいところです。パケットの利用料で値段が大きく変わります。
しかし、使わなければその分もったいないので、できるだけ詳細に自分の使うデータ通信量を把握しましょう。
今使っているスマートフォンでも調べることができるはずです。
MVNO(格安SIM)を選ぶ
格安SIMを提供しているMVNOはたくさん存在していて、どれを選んだらよいかわからなくなると思います。
そこで、以下に人気のMVNO8社のプランや料金等を比較したものをご覧いただいた上で、MVNOを選ぶ時のポイントをご説明します。
今回比較するのは、楽天モバイル・IIJmio・U-mobile・DMM-mobile・mineo・ぷららモバイルLTE・OCNモバイルONE・イオンモバイルの8社です。
・3GBと7GBの場合
MVNO | 3GB | 7GB | ||
---|---|---|---|---|
料金(円) | 3日制限 | 料金(円) | 3日制限 | |
楽天モバイル | 900 | 無 | ||
IIJmio | 900 | 366MB | ||
U-mobile | 1,580 | 有(数値非公表) | ||
DMM-mobile | 850 | 366MB | 1,860 | 366MB |
mineo | 900 | 無 | ||
ぷららモバイルLTE | 900 | 110MB(1日) | 1,886 | 無 |
OCN モバイルONE | 1,100 | 無 | ||
イオンモバイル |
・20GBと無制限の場合
MVNO | 20GB | 無制限 | ||
---|---|---|---|---|
料金(円) | 3日制限 | 料金(円) | 3日制限 | |
楽天モバイル | 4,050 | 無 | ||
IIJmio | ||||
U-mobile | 2,730 | 有(数値非公表) | ||
DMM-mobile | 3,980 | 366MB | ||
mineo | 3,980 | 無 | ||
ぷららモバイルLTE | 2,760 | 無 | ||
OCN モバイルONE | 4,150 | 無 | ||
イオンモバイル | 3,980 | 366MB |
その中でも月間通信量20GB未満のプランならばDMM-mobileが、20GBのプランにおいてはイオンモバイルとDMM-mobile、mineo、無制限プランにおいてはU-mobileが一番安くなっています。
ご覧のように、まず、どのMVNOも格安というだけあって、非常に安いのがわかります。
しかし、通常の回線速度はそこまで高速とは言えません。
さて、注目点は対応電波です。
mineoだけがauに対応しており、それ以外はドコモの電波を利用しています。
この2つの電波は700MHzという低い周波数(BAND)を持っています。
一般的には低周波は低ければ低いほど、室内で強いといわれています。
ドコモに関しては、圧倒的に低い周波数を持っており、室内や田舎などでの繋がりやすさは他社をはるかに凌ぎます。
つまり、基本的にはドコモ(もしくはau)といった大手キャリアの電波を使えるMVNOを選べば問題無いと言えるでしょう。
では、次にその格安SIMが使う周波数に対応する機種を探していきます。
ポケットWiFiの機種を選ぶ
では、先程紹介したドコモの電波に対応できるSIMフリー端末を選びましょう。
と言いながら、実はこちらで「もうこれしかない!」という選んで間違いの無い機種をピックアップしておきました。以下の3機種です。
・AtermMR05LN
・Mobile WiFi E5383
・AirCard AC785
この3つはドコモの電波を使えるMVNOで問題なく利用できる端末です。
この中でも、一番人気はAtermMR05LNです。
正確にはこの前モデルAtermMR04LNが圧倒的な人気を誇っていました。
やはり、機能も圧倒的に優れており、上記の3つとも値段は20,000円程度だという点から見ると、本機種をおすすめします。
二つのSIMカードスロットを有し、デュアルSIMを「データ通信量」「クレードル装着」「利用時間」の三つで切り替えることが出来る「自動SIM切り替え」の機能を搭載しています。
バッテリー容量も2,500mAhと大容量になっています。
いずれにせよ、このAtermMR05LNを選んでおけば間違いないでしょう。
ドコモ電波に対応していないMVNOを選ばれた方、例えば、mineoでauの電波を使いたい方は、mineoのプランで使用する周波数とポケットWiFi端末の対応周波数が一致しているのかを確認してください。
特に高周波と低周波の両方が一致しているかがポイントです。
そうでなければ、高速通信が可能で繋がりやすい格安SIMポケットWiFiにはなりません。
この下調べの面倒くささを嫌う方は、格安SIMとポケットWiFi機種をMVNO経由で同時購入することをおすすめします。
MVNOと契約(格安SIMを買う)
MVNOと格安SIM、格安SIMと対応電波、そして、対応電波に対応する機種について、よく調べて考えたなら、格安SIMの契約に進みましょう。
格安SIMの購入は基本的にSIMカードを買うだけです。
店頭でも、ネットでも契約・購入ができ、設定だけは自分自身でやることになります。
最後に今回ピックアップしている8つのMVNOで同時購入できる端末などを紹介しておきます。
MVNO | 端末セット販売 | 分割料金(円) | 一括料金(円) |
---|---|---|---|
楽天モバイル | Aterm MR05LN | 985 | 21,900 |
IIJmio | Aterm MR05LN | 950 | 22,000 |
Biglobe SIM | Aterm MR05LN | 970 | 無 |
DMM-mobile | Aterm MR05LN | 1,223 | 23,000 |
mineo | Aterm MR05LN | 1,050 | 25,200 |
ぷららモバイルLTE | 無 | ||
OCN モバイルONE | Aterm MR05LN | 無 | 21,000 |
イオンモバイル | Aterm MR05LN | 1,206 | 26,800 |
ただ、トータルの金額で考えると、どのMVNOもさほど変わりません。
DMM-mobileとイオンモバイルは一般的なプラン料金は安かったのですが、ここで少し高めに出しています。
そもそも今回ピックアップした8社はユーザー評価も高く、人気の高いMVNOなので、どれを選んでも問題ないと思います。
では、格安SIMでポケットWiFiを早くて繋がるものにして、毎月格安で楽しいインターネットライフを送りましょう!
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